大人女性の髪のお悩みガイド

毎日のヘアアイロン、髪への負担は?温度と使い方の見直し方

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朝の支度でヘアアイロンを手に髪を整える大人女性をやわらかく描いた水彩イラスト風のアイキャッチ

朝の支度のなかで、ヘアアイロンを手に取る時間が年々長くなっていませんか。表面に出てきたうねりをなでつけて、白髪染めの色がなじみにくい部分を整えて、分け目のあたりをふんわり立ち上げる。そこまでしてようやく「これで出かけられる」と思える、という方は少なくありません。

一方で、心のどこかに引っかかりを抱えている方も多いはずです。毎日熱を当てているのだから、髪に良いはずがない。けれど、使わずに出かけるという選択肢は現実的ではない。この記事では「使うのをやめましょう」という話ではなく、同じように使いながら負担の重なり方を減らしていく工夫を、順番に整理していきます。

見直す順番は、温度よりも先に「いつ当てるか」から

先に要点をお伝えします。ヘアアイロンとの付き合い方を見直すとき、多くの方が最初に温度設定を疑いますが、順番としては髪が完全に乾いた状態で当てているかどうかを先に確認するほうが効きます。

濡れた髪、あるいは半乾きの髪にアイロンを当てると、内部に残った水分が急に蒸発します。ジュッという音が立つのはそのサインです。同じ温度でも、髪の状態によって起きていることは変わります。温度を下げる前に、この点を整えるほうが順番として自然です。

そのうえで見直したいのが、同じ場所を何往復させているかです。一度で決められれば、髪が熱に触れる回数はそのぶん減ります。温度を下げすぎて何度も往復することになれば、かえって熱と接する時間は長くなります。この記事では「乾いた状態で使う」「往復を減らす」「温度は仕上がりが保てる範囲でいちばん低く」という3つを、この優先順位で見ていきます。

ヘアアイロンを使う前に整えておきたい3つのステップを順に示した図解

大人の髪が、以前より熱の影響を感じやすくなる理由

同じようにアイロンを使ってきたのに、ここ数年で仕上がりや手ざわりが変わってきたと感じる方がいます。背景には、二つの変化が重なっていることがあります。

髪そのものの状態が、少しずつ変わってきている

年齢を重ねる中で、髪は一本一本の太さや質感が変化していきます。細くなった髪は、同じ熱量でも受ける影響の出方が変わります。乾燥しやすくなった髪も同様です。ケアを変えていないのに仕上がりが以前と違う、というのは、道具ではなく髪の側が変わっているサインかもしれません。

サロンでも、「同じアイロンを何年も使っているのに、最近だけ毛先がまとまらない」というご相談をいただくことがあります。買い替えを検討される前に、今の髪に対して使い方が合っているかを見直すほうが、結果として近道になることも少なくありません。

熱を使う機会そのものが増えている

もう一つ見落とされがちなのが、使用頻度の変化です。若い頃は特別な日だけ使っていたアイロンを、うねりを抑えるために毎朝使うようになった。白髪をなじませるカラーを続けているため、その質感の変化をアイロンで整えるようになった。こうして、以前より熱を当てる回数が自然と増えているケースは非常に多いです。

うねりが出てきたからアイロンの出番が増える、という流れは、多くの方に共通しています。うねりそのものへの向き合い方はうねり・広がりが増えてきた髪の毎日のケアの考え方にまとめました。アイロンに頼る回数を減らすという発想からも、目を通しておく価値があります。

温度・回数・当て方を見直す

ここからは、実際に手を動かす部分の話です。三つとも、道具を買い替えずに今日から試せます。

完全に乾かしてから使う

タオルドライのあと、ドライヤーで八割ほど乾かしてアイロンへ移る。この流れが習慣になっている方は少なくありません。急いでいる朝ほど、そうなりがちです。

けれど前述のとおり、水分が残った状態で高温を当てるのは、髪にとっていちばん負担が重なりやすい使い方です。手のひらで根元付近を握ってみて、ひんやりする感覚が残っていれば、まだ乾ききっていません。ドライヤーの最後に冷風を当てると、乾き切ったかどうかを判断しやすくなり、表面も落ち着きます。洗ってから乾かすまでの一連の手順はシャンプーの洗い方と乾かし方|大人の髪と頭皮を守る基本で整理していますので、土台から見直したい方はそちらもご覧ください。

一度で決める、を目標にする

同じ場所を三度、四度と滑らせている方は、一度で決められる条件を整えるほうが結果的に負担を減らせます。

そのために効くのが、髪を取り分ける量を少なくすることです。厚い束のまま挟むと、内側まで熱が届かず、結局もう一度当て直すことになります。薄く取れば一度で仕上がり、往復の回数が減ります。手間が増えるように見えて、トータルで熱に触れる時間は短くなります。

もう一つは、当てる範囲を絞ることです。全体を毎日伸ばす必要が本当にあるか、一度考えてみてください。人から見られるのは主に表面と顔まわりです。内側は手をつけず、表面だけ整える日をつくるだけでも、熱の総量は変わってきます。

温度は「仕上がりが保てる範囲でいちばん低く」

温度の正解は、髪の太さ、量、くせの強さによって変わります。共通の数字を挙げることはできませんが、決め方の考え方はお伝えできます。

今の設定から一段階下げて、いつもどおりに仕上げてみてください。夕方まで状態が保てるなら、その温度で足りていたということです。逆に、下げたことで何度も往復するようになったなら、下げすぎです。数字そのものより、「仕上がりを保てる下限を探る」という進め方が現実的です。

保護剤を使う場合は、毛先を中心になじませ、頭皮にはつけないようにします。そしてなじませたあと、髪が乾いた状態になってからアイロンへ進んでください。

アイロンに頼る回数は、前の晩から減らせます

ここまでは「当てるときの工夫」でしたが、もう一段さかのぼった見直し方があります。朝アイロンで直している癖の一部は、前の晩の乾かし方でできていることがあるためです。

夜、根元を起こしてから乾かす

寝る前に自然乾燥のまま眠ると、根元が寝た向きのまま固定されます。翌朝、その状態を起こそうとしてアイロンを強く当てることになりがちです。

夜のうちに、指で根元を左右に振りながら風を当てて乾かしておくと、朝の立ち上がり方が変わります。分け目をいつもと逆に倒して乾かしておくのも、翌朝ふんわりさせたい方には有効です。ここで数分かけておくと、朝に熱を当てる時間そのものを削れます。

寝ている間の摩擦を減らす

もう一つ、朝の広がりに関わるのが睡眠中の擦れです。乾かし切らないまま眠ると、髪同士や枕との摩擦を受けやすくなり、朝の表面が落ち着かなくなります。

長さのある方は、ゆるく一つにまとめておくと擦れが減ります。ただし強く結ぶと跡がつき、それを直すために結局アイロンを当てることになるため、跡が残らない程度のゆるさにしておくのがポイントです。翌朝の状態が変われば、アイロンを当てる範囲も自然と狭くなります。

「アイロンのせいで髪が減った気がする」と感じたとき

熱の扱いを見直したくなる動機として、実は多いのがこの不安です。抜け毛や分け目の地肌が気になり始めたとき、思い当たる習慣として真っ先にアイロンが浮かびます。

ここで立ち止まっていただきたいのは、原因を一つに絞り込まないことです。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、女性型脱毛症について「男性ホルモンの影響に関して明確なデータはなく、女性ホルモンの状態など様々な理由により生じている場合が多いと考えられています」と説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8「女性型脱毛症は男性型脱毛症とちがうのでしょうか?」)。専門の学会が、理由を一つに定めない書き方をしているということです。

熱の扱いを整えることには意味があります。ただ、それだけで説明がつく話とは限りません。まずは変化を思い込みではなく事実として把握するところから始めると、判断しやすくなります。記録の取り方は抜け毛が増えた気がするとき|変化の見方と記録のしかたにまとめています。

こうした状態が見られるときは、セルフケアだけで抱え込まず、皮膚科や専門のクリニックで相談することを検討してみてください。

美容師の現場から

今の髪の手ざわりの状態に応じたヘアアイロンとの付き合い方の目安を並べた図解

変えられるのは、道具よりも順番のほうです

ヘアアイロンは、大人の髪の悩みを毎朝支えてくれる道具です。うねりを抑え、白髪の見え方を整え、鏡の前の気持ちを軽くしてくれます。だからこそ、やめるかどうかの二択で考える必要はありません。

見直せるのは、乾かし切ってから当てているか、同じ場所を何度も往復していないか、そして温度が今の髪に対して高すぎないか。この三つを順番に確認するだけでも、一日に髪が受ける熱の量は変わってきます。特別な道具を買い足すより、順番を整えるほうが取り組みやすく、続けやすいはずです。

そのうえで、頭皮の状態や地肌の見え方に気になるところが続く場合は、ケアの範囲で抱え込まず、専門の窓口の力も借りながら進めていきましょう。毎朝の数分を心地よく過ごせるようにしていくことが、この習慣との長い付き合い方につながります。

参考にした情報

よくある質問

Q.ヘアアイロンは何度に設定するのがよいですか?
A.髪の太さや量、くせの強さによって必要な温度は変わるため、すべての方に共通する数字はありません。目安として考えたいのは『その日の仕上がりが保てる範囲で、いちばん低い温度』です。高い設定のまま使い続けている方は、一段階下げてみて、仕上がりが変わらなければその温度が今のご自身に合っている可能性があります。逆に、低すぎて何度も往復させることになるなら、熱の当たる回数が増えてしまいます。温度と回数は、セットで考えるとちょうどよい落としどころが見つかりやすくなります。
Q.毎日使っています。休ませる日をつくったほうがよいですか?
A.毎日使うこと自体をやめる必要はありませんが、『毎日、全体に、高温で』が重なると負担も重なります。全体を伸ばす日と、顔まわりや分け目だけ整える日を分けるだけでも、熱が当たる範囲はかなり減らせます。予定のない日は結んで過ごす、という選び方もあります。使う日をゼロにするより、当てる範囲と回数を減らすほうが続けやすいはずです。
Q.アイロンの前につけるヘアオイルは、熱から守ってくれますか?
A.熱から守ることを目的につくられた製品は、そのための処方になっています。ただし、つけたから負担がなくなるというものではありません。使うときは、量より塗り分けが大切です。毛先を中心になじませ、根元や頭皮にはつけないようにします。また、オイルをつけた直後の髪が湿った状態のままアイロンを当てるのは避けてください。しっかりなじませてから、乾いた状態で使うのが基本です。
Q.コテとストレートアイロン、髪への負担に違いはありますか?
A.どちらも熱を使う道具なので、当てる温度と時間、往復させる回数のほうが影響としては大きいと考えて差し支えありません。ただし使い方の癖は道具によって出やすさが違います。ストレートアイロンは同じ場所を何度も滑らせやすく、コテは巻いたまま長く留めやすい傾向があります。ご自身がどちらの癖を持っているかを一度意識してみると、見直すところが見えてきます。
Q.アイロンを使い続けたせいで髪が減った気がします。関係はありますか?
A.熱の扱いを見直すことには意味がありますが、髪の変化の理由をアイロンひとつに絞り込むのは早いかもしれません。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aも、女性型脱毛症の原因について複数の理由を挙げる書き方をしています。分け目や生え際の地肌が気になる状態が続いている場合は、ケアの見直しと並行して、皮膚科や専門のクリニックで相談してみることも選択肢のひとつです。

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