白髪だけうねる・跳ねるのはなぜ?扱いにくさの整え方
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鏡の前で髪を整えているとき、1本だけぴんと跳ねている白髪が目に入る。手で押さえてもしばらくすると同じところが立ち上がってきて、結局その1本が気になったまま出かけることになる。色は染めたばかりで落ち着いているはずなのに、向きだけがどうしても言うことを聞いてくれない。そんな朝を繰り返している方は少なくありません。
白髪の話題は「どう染めるか」に集まりがちですが、美容室で実際にうかがうご相談で多いのは、色よりもむしろ手ざわりや向きのほうです。硬い、うねる、跳ねる、まとまらない。この記事では、その扱いにくさが何によって見えているのかを、原因を決めつけずに観察する手順として整理します。そのうえで、今日の夜から試せる手入れの順番をお伝えします。
気になっているのは色の差だけでなく、毛の向きの差です
跳ねている白髪をどうにかしたいと思ったとき、最初に切り分けておきたいことがあります。気になっているのは「白いという色」なのか、それとも「その毛が向いている方向」なのか、という切り分けです。
黒い髪の中に白い毛が混ざると、その1本は周りより光を強く返します。同じ角度で立ち上がっている毛でも、黒ければ背景に沈んで見えず、白ければ視界に飛び込んできます。つまり跳ねている白髪の悩みは、色の差と向きの差が重なったところで起きています。まわりの毛も同じように動いているのに、白い毛だけが見えてしまう、という状態です。
そして、この2つのうち今日のうちに変えられるのは向きのほうです。色をどうするかは、染めるかどうか、どの方法で染めるか、間隔をどうするかという別の検討につながります。一方で向きは、乾かす順番とつけるものの位置を変えるだけで、その晩から変わります。ですのでこの記事では、向きを整える話を中心に扱います。

跳ねている毛には、性質の違うものが混ざっています
「跳ねる白髪」とひとまとめにされがちですが、実際に指ではさんで確かめてみると、性質の違う毛が混ざっていることがほとんどです。次の3つの視点で見分けておくと、自分の場合はどこから手をつければよいかが決まります。
長さを見る:生えかけの短い毛は、下りようがありません
まず確かめたいのは、その毛の長さです。指でつまんで根元から先までたどってみてください。ほかの髪と同じ長さまで伸びているのか、それとも数センチで終わっているのか。
髪はある程度の長さになると、自分の重さで下に落ち着きます。逆にいえば、数センチしかない毛は下りるための重さを持っていません。これは白髪に限った話ではなく、黒い毛でもまったく同じことが起きています。ただ、黒い毛が短くて立ち上がっていても背景に紛れて見えないため、白い毛だけが「跳ねる毛」として記憶に残ります。
短い毛が立っていること自体は、髪が伸びていく過程でどなたにも起こります。ここで大切なのは、跳ねているという理由だけで、その毛を悪いものとして扱わないことです。
場所を見る:分け目と生え際は、もともと向きが定まりにくい場所です
次に、その毛がどこから生えているかを見ます。跳ねる毛が集まりやすいのは、分け目の境目、生え際、こめかみのあたりです。
分け目は、髪が左右に分かれる折り返し地点にあたります。長い間おなじ位置で分けていると、根元の向きがその形で固まりやすく、境目に生えてきた短い毛は行き場をなくして上に立ちます。生え際やこめかみは、もともと毛の流れが渦を巻くように入り組んでいる場所で、まわりと違う方向を向いた毛が出やすいところです。
つまり、跳ねているのは毛のせいというより、場所の性質による部分が大きいということです。分け目の位置を少しずらすだけで根元の向きが変わり、立ち上がっていた毛が目立たなくなることもあります。分け目の変え方はボリュームが気になる日の髪型と分け目チェンジのコツで手順を整理していますので、跳ねが気になる場所と重なっている方は試してみてください。
手ざわりを見る:染めた部分と伸びてきた部分では感触が変わります
3つめは手ざわりです。毛先のほうを指の腹ではさんで滑らせたときと、根元に近いところではさんだときで、感触が違うと感じることがあります。
染めている方の場合、毛先側は前回の薬剤を通っていて、根元側は伸びてきたままの状態です。同じ1本の毛でも通ってきた履歴が違うため、手ざわりの印象が変わってきます。伸びてきた根元の部分が「硬い」と感じられ、それが白髪特有の性質のように思えることもありますが、履歴の違いという見方もできる、ということです。
なぜそうなるのかを一つの理由で説明することは、この記事ではしません。ただ、扱い方を決めるうえでは、原因を突き止めるより「どの部分が言うことを聞かないのか」を手で確かめるほうが役に立ちます。
手入れの順番を変えると、その日のうちに違いが出ます
見分けができたら、次は扱い方です。跳ねを抑えるためにすることは、実は増やすことではなく、順番を入れ替えることのほうが多くなります。
根元は、いったん逆に倒してから乾かします
濡れた髪を乾かすとき、上から下へまっすぐ風を当てていませんか。この当て方だと根元は寝たまま固まり、はねている毛だけがそのままの向きで残ります。
おすすめしているのは、根元をいったん反対側へ倒してから乾かし、最後に本来の位置へ戻す方法です。分け目の右側の髪なら左へ倒して根元を乾かし、乾いてきたら手ぐしで戻します。こうすると根元が一方向に固まらず、立ち上がっていた毛もまわりに紛れやすくなります。
大切なのは、根元が乾いていない段階で形を決めないことです。髪は乾くときの形で落ち着きますので、先に根元を乾かして向きを作ってから、中間・毛先へと進みます。乾かす順番そのものの基本はシャンプーの洗い方と乾かし方|大人の髪と頭皮を守る基本にまとめていますので、あわせてご覧ください。
つけるものは、根元ではなく中間から
跳ねを押さえたい一心で、オイルやミルクを根元に塗り込んでしまう方がいらっしゃいます。ただ、この方法は全体が重く沈んで見えるわりに、跳ねている毛は時間が経つとまた起き上がってくることが多いのです。
つけるのは中間から毛先まで、と決めておくほうが結果的にまとまります。手のひらに広げて中間からなじませ、手に残った分で表面をなでる。この順番であれば、根元のふくらみを保ったまま、表面の細かい毛だけを落ち着かせられます。
量は、いつも使っている半分から試してみてください。跳ねが強い日ほど多めにつけたくなりますが、量を増やすことと収まることは比例しません。
表面をなでるのは、いちばん最後だけ
仕上げに手ぐしを何度も通すと、そのたびに静電気が起きて細い毛が立ち上がってきます。触る回数は少ないほうが落ち着きます。
出かける前に整えるのであれば、手に残ったオイルで表面を一度なでるだけにとどめます。気になるたびに指で触ってしまうという方は、そのタイミングでブラシを一度通すほうが、摩擦の回数としては少なくなります。
抜く前に、いったん立ち止まってください
跳ねている1本を見つけたときに、いちばん手っ取り早い解決に見えるのが「抜く」という方法です。ここだけは、少し立ち止まってお読みください。
抜くという選択は、いったん外しておきます
指でつまんで引き抜くと、その瞬間は確かに視界から消えます。ただ、毛を抜くという行為は毛穴とその周りに力がかかることでもあり、繰り返すほど負担が重なります。同じ場所を繰り返し抜いている方も多く、気づかないうちに一箇所に集中していることがあります。
抜いたときに頭皮側で何が起きているのか、抜かずに目立たなくする方法にはどんなものがあるかは、白髪を抜くのはよくない?頭皮への負担と抜かずに整える方法で詳しく整理しています。抜く習慣が続いている方は、こちらを先にお読みいただくほうがよいかもしれません。
切るなら、位置によって跳ね方が変わります
抜くかわりに切る場合も、切る位置で結果が変わります。地肌ぎりぎりで切ると、残った短い毛はいっそう下りる重さを失い、かえってまっすぐ立ち上がってきます。
切るのであれば、地肌から数センチ離したところで、まわりの毛となじむ長さを残しておくほうが目立ちません。ただし、鏡越しにハサミを入れると角度を誤りやすく、意図せず短くなってしまうこともあります。本数が増えてきたと感じているときは、ご自身で処理を続けるより、次に美容室へ行かれたときに「この辺りが跳ねて困る」と伝えていただくほうが早く落ち着きます。
質感のほかに、気になる変化が重なっていないか
ここまでは扱い方の話をしてきましたが、質感の変化と一緒に別の変化が起きているときは、見る場所を変える必要があります。
跳ねる毛が増えてきたと感じるとき、その正体が「短い毛の増加」である場合があります。短い毛は、伸びてきた途中の毛であることもあれば、途中で折れた毛であることもあります。抜けた毛の根元側にはふくらみがあり、折れた毛は両端とも断面になっていますので、落ちた毛を明るいところで見ると手がかりになります。
そのうえで、次のような状態に心当たりがあるときは、扱い方を工夫する段階より先に、一度専門の医療機関で見てもらうことを考えてみてください。
相談に行くことと、何かを始めることは別のことです。今の状態を確かめるための材料をもらいに行く、というくらいの気持ちで足を運んでいただければ十分です。
美容師の現場から

1本の向きは、色より先に手をつけられます
跳ねている白髪が気になったときは、まずその毛の長さと生えている場所を確かめてみてください。数センチの短い毛であれば下りる重さがないだけですし、分け目や生え際であればその場所の性質による部分が大きくなります。原因を一つに決めなくても、どこから手をつけるかは決められます。
そのうえで扱い方を変えるなら、順番は乾かす・つける・整えるの3段階です。根元をいったん逆に倒してから乾かし、オイルは中間からつけ、最後に表面を一度なでる。増やすのではなく、順番を入れ替えるだけで、その晩から見え方は変わります。
そして、抜くという選択だけはいったん外しておいてください。手っ取り早く見えて、同じ場所に負担が重なりやすい方法です。質感の変化と一緒に地肌の見え方まで変わってきたと感じるときや、頭皮に症状を伴うときは、皮膚科や女性の薄毛を専門に扱うクリニックへ相談することも、選択肢に入れておいていただければと思います。
よくある質問
- Q.白髪だけ手ざわりが違って感じるのはなぜですか?
- A.なぜそう感じられるのかを一つの理由で説明することはできませんが、美容室では『白髪だけ硬い気がする』というご相談を本当によくいただきます。実際に手に取ってみると、白髪そのものが特別というより、生えかけで短い毛だったり、分け目や生え際など向きが定まりにくい場所の毛だったりすることが多くあります。まずはその毛の長さと生えている場所を見てみてください。
- Q.跳ねている白髪は切ってしまってよいですか?
- A.抜くよりは切るほうが頭皮への負担は少ない方法です。ただし根元ぎりぎりで切ると、残った部分がかえって立ち上がりやすくなります。切るのであれば地肌から数センチ離した位置で、まわりの毛となじむ長さを残しておくと目立ちにくくなります。本数が多いときは、次回の美容室で相談していただくほうが確実です。
- Q.白髪染めをすると跳ねにくくなりますか?
- A.染めることで色の差が小さくなり、跳ねている毛が目に入りにくくなることはあります。手ざわりの感じ方が変わったとおっしゃる方もいますが、どう変わるかは薬剤の種類や髪の状態によって差がありますので、一概には申し上げられません。跳ねを抑えることが目的であれば、染める前に乾かし方を見直すほうが、その日のうちに違いを感じやすい方法です。
- Q.スタイリング剤は根元につけたほうが押さえられますか?
- A.根元につけると全体が重く見えやすいわりに、跳ねている毛そのものは起き上がってくることが多いです。オイルやミルクは中間から毛先につけて、手に残った分で表面をなでる程度にとどめるほうが、根元のふくらみを抑えずに表面だけを整えられます。
- Q.短い毛がたくさん立ち上がっているのは、抜けた毛が生えてきたということですか?
- A.短い毛がある理由は一つではなく、切れた毛が混ざっていることもありますので、見ただけで判断することはできません。気になるようでしたら、同じ場所を同じ明るさで写真に残しておくと、時間をかけて比べられます。地肌の見え方が短期間で変わったと感じるときや、頭皮に赤み・かゆみを伴うときは、皮膚科や女性の薄毛を専門に扱うクリニックへの相談を検討してください。
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