大人女性の髪のお悩みガイド

切れ毛が増えたと感じたら|抜け毛との見分け方とケアの順番

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落ちた髪の毛が切れ毛か抜け毛かを確かめる大人女性をやわらかく描いた水彩イラスト風のアイキャッチ

シャンプーのあと排水口を見て、以前より短い毛が多い気がする。ブラシに絡んだ毛の中に、まだ伸びきっていないような短いものが混ざっている。そんな場面から、抜け毛が進んでいるのではないかと不安になったことはありませんか。長い毛なら「いつも通り」と思えるのに、短い毛が目に入ると、育つ前に抜けてしまったように見えるものです。

けれども、落ちている短い毛がすべて抜けた毛とは限りません。毛の途中で折れた切れ毛も、同じように洗面台や床に落ちます。そして切れ毛と抜け毛では、起きている場所も、見直したいことも違います。同じ「短い毛」を前にして、片方は髪の扱い方の話、もう片方は髪の生え変わりの周期の話になるのです。ここでは落ちた毛から二つを見分ける方法と、切れ毛が気になるときに何から手をつけるかを、順番をつけて整理していきます。

落ちた毛の端を見ると、切れたのか抜けたのかが分かります

先に要点をお伝えします。手がかりは毛の端にあります。毛穴から抜けた毛には、根元側に白っぽい小さなふくらみが付いています。一方、途中で折れた切れ毛にはそれがありません。両端とも、毛の断面のままです。

明るい場所で一本つまみ上げ、両端を見比べてみてください。片方だけがわずかに太くなっていて、そこに半透明の粒のようなものが見えるなら、毛穴から離れた毛です。両端とも同じような細さで、切りそろえたような、あるいは縦に裂けたような形になっているなら、切れ毛と考えられます。数本並べてみると違いが分かりやすくなります。

長さも参考にはなりますが、それだけで決めないほうが確かです。数センチの短い毛ばかりが目立つとき、その中には切れ毛が多く混ざっています。ただし生え変わりの周期の中で自然に抜ける短い毛もあるため、短さは手がかりの一つにとどまります。長さで当たりをつけ、端の形で確かめる。この順番なら、道具がなくても洗面台で判断できます。

落ちた毛が切れ毛か抜け毛かを端の形から見分ける3つの手順を順に示した図解

切れ毛と抜け毛では、起きている場所が違います

見分けがついたところで、その違いに何の意味があるのかを整理しておきます。同じ短い毛でも、対処の入口がまったく変わってきます。

切れ毛は、髪の「途中」で起きている

切れ毛は、頭皮から出たあとの髪に起きた出来事です。髪は一度伸びてしまえば、皮膚のように自分で修復する仕組みを持ちません。日々受ける摩擦や熱、薬剤の影響は、その毛が切られるまで少しずつ積み重なっていきます。

言いかえれば、切れ毛は毛穴の側で起きている変化ではなく、髪の扱い方の積み重ねが形になって現れたものです。ですから見直す先も、ブラッシング・乾かし方・スタイリングといった、髪そのものへの力の加え方になります。ここは自分の手の内にある部分が多く、変えれば変えただけ結果に出やすい領域でもあります。

抜け毛は、毛穴の側で起きている

いっぽう抜け毛は、髪の生え変わりの周期の中で毛穴から離れていく現象です。髪には伸びる期間と休む期間があり、休む期間を終えた毛が抜けて、次の毛に場所を譲ります。誰の髪でも毎日一定量が抜けていて、それ自体は自然なことです。

こちらで気にかけたいのは、抜ける本数そのものよりも、一本一本の太さや長さが以前と変わってきていないかという点です。髪が細くなっていく背景は年齢とともに髪が細くなるのはなぜ?ヘアサイクルの基礎で仕組みから整理していますので、抜け毛のほうが気がかりな方はあわせてご覧ください。

二つは重なって起きることもあります

やや込み入るのですが、切れ毛と抜け毛はどちらか一方だけが起きるものではありません。髪が細くなってきた時期には、同じ扱いをしていても切れやすさが増します。つまり抜け毛が気になり始めた時期に、切れ毛も同時に目立ちやすくなるということです。

どちらか一つに原因を決めてしまうと、見直す場所を間違えます。落ちた毛を見て「両方あるようだ」と分かったなら、それはそれで正しい把握です。切れ毛は日々の扱いで減らしていき、抜け毛の変化は記録して様子を見る。二つを別々の軸で追いかけるのが、遠回りに見えて確実な進め方です。

大人の髪が切れやすくなっていく背景

年齢とともに切れ毛が目立つようになるのには、いくつかの事情が重なっています。以前と同じことをしているのに増えたように感じるとしたら、髪の側が変わってきている可能性があります。

髪が細くなると、同じ扱いでも負担が変わる

一本の髪が細くなると、同じ力で引いたときに受ける負担は変わってきます。太い髪のころは平気だったブラッシングや結び方が、細くなった髪には強すぎることがあるのです。力を強めたつもりはなくても、髪の側の余力が減っている。この変化は少しずつ進むため、自分では気づきにくいところがあります。

うねりが出てきた方も、切れやすさが増しやすいグループです。まっすぐな髪に比べ、曲がっている部分は力が一点に集まりやすく、ブラシが引っかかる回数も増えます。うねりそのものへの向き合い方は別の記事で扱っていますが、切れ毛という観点では「引っかかる回数を減らす」ことが対策の中心になります。

熱と摩擦は、その日のうちに消えない

ヘアアイロンやドライヤーの熱、タオルやブラシとの摩擦は、一回ごとは小さなものです。問題は、それが毎日積み重なり、しかも髪の側には元に戻る仕組みがないことです。半年前に受けた負担も、その毛が切られるまで残り続けます。

肩より長い髪の毛先は、生えてから一年以上たっているものが多くなります。つまり毛先ほど、蓄積した時間が長いということです。毛先だけがパサついて切れやすいのは、傷みが毛先に集中しているというより、毛先がいちばん長く生きてきたからだと考えると腑に落ちるはずです。熱の当て方については毎日のヘアアイロン、髪への負担は?温度と使い方の見直し方で温度と時間の考え方を詳しく整理しています。

濡れている時間が、いちばん無防備

髪は水を含むとやわらかくなり、伸びやすく、そして切れやすい状態になります。ところが、この状態のときほど私たちは髪に力を加えがちです。シャンプー中にこすり合わせる、タオルでごしごし拭く、絡まったまま無理にブラシを通す。どれも乾いた髪なら耐えられたはずの力です。

切れ毛が気になる方の多くは、じつはこの「濡れている時間」に負担が集まっています。ケア用品を選び直すより先に、濡れた髪をどう扱っているかを思い返してみてください。変えるのに費用がかからず、効果を感じやすいのもこの部分です。

切れ毛を減らすには、順番をつけて見直す

やることを一度に増やすと、何が効いたのか分からなくなります。負担の大きいところから順に、一つずつ手をつけていくほうが結果的に早いものです。

最初は、濡れた髪に加える力を減らす

タオルドライは、こするのではなく挟んで押さえます。頭を左右に振って水を飛ばすより、タオルで包んで軽く押さえるほうが早く水分が取れて、しかも髪同士がこすれません。

濡れた髪をとかすときは、目の粗いコームで毛先から少しずつほぐします。根元から一気に通すと、途中の絡まりに力が集まり、そこで切れます。毛先→中間→根元の順に、引っかかったら手前に戻ってほぐし直す。この順番を覚えるだけで、ブラシに絡む毛の量は変わってきます。

次に、熱の当て方を見直す

ドライヤーは、根元から乾かして毛先を最後にします。毛先は乾きが早く、先に乾いた場所へ熱を当て続けるのがいちばんの無駄打ちだからです。同じ場所に留めず、常に動かしながら風を送ります。

ヘアアイロンは、温度を下げるより先に「同じ場所を何度も往復していないか」を見直してみてください。低い温度でも往復回数が多ければ、髪が受ける時間は長くなります。一度で決まる幅の毛束に分け、通す回数を減らすほうが負担は軽くなります。乾ききっていない髪に高温を当てるのは、いちばん避けたい組み合わせです。

ケア用品を足すのは、そのあとで

洗い流さないトリートメントやオイルは、指どおりをよくして摩擦を減らす助けになります。ただし、使えば切れた毛が元に戻るわけではありません。役割は「これから切れる毛を減らす」ことにあります。

だからこそ、扱い方を変えないまま製品だけを足しても、変化は感じにくくなります。順番としては、濡れた髪への力を減らし、熱の当て方を整えたうえで、仕上げに摩擦を減らす一手として足す。この順で組み立てると、それぞれの効果が分かりやすくなります。

それでも抜け毛のほうが気になるときは

ここまでは切れ毛の話をしてきました。けれども確かめてみて、根元にふくらみのある毛のほうが目立った方、あるいは分け目やつむじの地肌の見え方が変わってきたと感じる方もいらっしゃるはずです。

その場合に大切なのは、原因を一つに決めつけないことです。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、女性型脱毛症について「男性ホルモンの影響に関して明確なデータはなく、女性ホルモンの状態など様々な理由により生じている場合が多いと考えられています」と説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8「女性型脱毛症は男性型脱毛症とちがうのでしょうか?」)。専門の学会が、理由を一つに定めない書き方をしているということです。ですから、心当たりのある習慣を一つ見つけて安心したり、逆にそれを責めたりする必要はありません。

やることは、変化を記録して手元に残しておくことです。いつからどう感じるか、どの場面で気づいたか。こうした情報は、あとで美容室や医療機関に相談するときにそのまま役立ちます。記録の取り方は抜け毛が増えた気がするとき|変化の見方と記録のしかたで具体的にまとめていますので、気になり始めた段階の方はこちらから始めてみてください。

こうした状態が見られるときは、セルフケアを続けるより先に皮膚科で相談することを検討してください。受診したほうがよいかどうか自体を迷う段階でも、相談してかまいません。判断の材料をもらう場として使えます。

美容師の現場から

切れ毛を減らすために見直す順番を3段階で並べた図解

切れた毛は戻せませんが、これから伸びる毛は変えられます

短い毛が落ちているのを見た瞬間の不安は、正体が分からないところから来ています。端の形を見る、という一手間を挟むだけで、それが髪の扱い方の話なのか、生え変わりの周期の話なのかが分かれます。分かれてしまえば、次にやることは決まります。切れ毛なら濡れた髪への力から、抜け毛なら記録から。手当たり次第に何かを足すより、ずっと近道です。

すでに切れてしまった毛を元に戻すことはできません。けれども、これから伸びてくる毛がどう扱われるかは、今日から変えていけます。長さを切って区切りをつけるという選択も、決して後退ではありません。今の髪の状態に合わせて手入れの仕方を選び直していけば、鏡の前で身構える時間は少しずつ減っていきます。地肌の状態や体調に気がかりなことが続く場合は、抱え込まずに皮膚科の力も借りながら進めていきましょう。

参考にした情報

よくある質問

Q.切れ毛と抜け毛のどちらが多いのか、自分で判断できますか?
A.落ちた毛の端を見れば、ある程度までは分かります。根元側に白っぽい小さなふくらみが付いていれば毛穴から抜けた毛、両端とも同じ細さで断面のままなら切れ毛です。ただし一本ずつ数えるような確認は必要ありません。数本つまんで見比べ、どちらの形が多い印象かをつかめば十分です。判断がつかないときや、地肌の見え方の変化が気になるときは、美容室や皮膚科で実際に髪と頭皮を見てもらうのが確実です。
Q.短い毛がたくさん落ちるのは、髪が育ちきっていないということですか?
A.短い毛の中には、途中で折れた切れ毛と、生え変わりの周期の中で自然に抜けた短い毛の両方が混ざっています。ですから短さだけでは判断できません。端にふくらみがない短い毛が目立つ場合は、切れ毛が多い状態と考えられます。反対に、ふくらみのある短い毛ばかりが目に付く状態が続くようなら、髪の太さや長さの変化とあわせて記録しておくと、相談するときに役立ちます。
Q.トリートメントを使えば、切れた毛は元に戻りますか?
A.一度切れた断面が再びつながることはありません。トリートメントの役割は、髪の表面を整えて指どおりをよくし、これ以上の引っかかりや摩擦を減らすことにあります。つまり修復ではなく、次に切れる毛を減らすための備えです。すでに切れてしまった部分は、伸ばしながら少しずつ整えていくか、傷んだ長さを切って区切りをつけるかの選択になります。
Q.切れ毛が気になるとき、髪を結ぶのはやめたほうがよいですか?
A.結ぶこと自体をやめる必要はありません。気にかけたいのは、同じ位置で強く結び続けることと、乾いていない髪をきつくまとめることです。結ぶ位置を日によって少しずらす、金具のないゴムを選ぶ、外すときは引き抜かずにほどく。この程度の工夫でも、同じ場所に力が集中する状態は避けられます。生活の中で結ぶ必要がある方は、やめる方向ではなく負担の分散で考えてみてください。
Q.美容室では、何を伝えると相談しやすいですか?
A.『短い毛が増えた気がする』という気づきに加えて、いつごろから感じるか、どの場面で気づいたか(乾かすとき、ブラシ、排水口など)を伝えていただけると状況が絞りやすくなります。あわせて、ヘアアイロンを使う頻度と温度、カラーやパーマの間隔もお伝えください。髪を見れば分かることも多いのですが、日々の扱いは実際に伺わないと分からない部分です。

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