大人女性の髪のお悩みガイド

髪のツヤがなくなってきたと感じたら|見方とケアの考え方

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髪のツヤの変化が気になり鏡の前で毛先を見つめる大人女性をやわらかく描いた水彩イラスト風のアイキャッチ

数年前と同じシャンプーを使い、同じように乾かしているのに、鏡に映る髪だけが以前と違う。パサついているというほどではないけれど、光が当たってもきれいに返ってこない。写真に写った自分の髪を見て、はじめて気づいたという方もいらっしゃいます。

美容室でも「傷んでいる自覚はないのに、ツヤだけがない」というご相談は本当によく伺います。ツヤは分かりやすい指標のようでいて、実は何が変わったのかを言葉にしにくい変化です。この記事では、そもそもツヤとは何が見えている状態なのかを整理したうえで、年齢とともに何が変わるのか、毎日のケアではどこから手をつけるとよいのかを順番に見ていきます。

ツヤとして見えているのは、髪の表面で返ってくる光です

先に要点をお伝えします。ツヤは髪に含まれている成分ではなく、髪の表面で反射した光の見え方です。表面がなめらかで、毛の流れがそろっているほど、光は同じ方向へまとまって返ります。そのまとまりが帯のように見えるのが、いわゆる天使の輪です。

反対に、表面に細かい凹凸があったり、一本ずつの向きがばらついていたりすると、光はあちこちに散ります。散った光は帯にならず、全体が白っぽく、少しくすんだ印象になります。髪の色が変わったわけでも、汚れているわけでもないのに「なんとなく古びて見える」と感じるのは、この散乱が起きているためです。

ここが分かると、ケアの方向も定まります。ツヤは足して増やすものというより、光を散らしている要因を減らしていくものだと捉えると考えやすくなります。散らす要因は大きく分けて、髪の表面の状態、髪そのものの形や太さ、そして白髪の混ざり方の3つです。そして日々のケアで手をつけられるのは、乾かし方、摩擦、熱と油分の量という順番になります。

髪のツヤが見えにくくなる背景を表面の状態・髪の形の変化・白髪の混ざり方の3つに分けて示した図解

年齢とともにツヤが見えにくくなる背景

「急にツヤがなくなった」と感じるときも、多くの場合は一日で起きた変化ではありません。少しずつ進んでいたものが、ある日ふと目に入るというのが実際のところです。背景を3つに分けて整理します。

表面の凹凸は積み重なっていく

髪の表面は、うろこ状の層が重なった構造をしています。この層は、カラーやパーマの薬剤、ドライヤーやアイロンの熱、タオルやブラシとの摩擦によって少しずつ削られたり浮いたりしていきます。

大切なのは、髪が肌のように新しく入れ替わる組織ではないという点です。一度乱れた表面は、時間が経てば元通りになるというものではありません。だからこそ、毛先ほど積み重ねた年数が長く、根元との差が出やすくなります。根元は光るのに毛先だけくすんで見えるという状態は、この時間差そのものです。

髪の形と太さが変わると、光の帯が細くなる

もうひとつは、生えてくる髪そのものの変化です。一本ずつが細くなったり、断面の形が変わってうねりが出たりすると、隣り合う毛の向きがそろいにくくなります。向きがそろわない髪は、表面が整っていても光を一方向に返しにくくなります。

うねりと同時にツヤの低下を感じている方が多いのは、この二つが同じ変化から来ているためです。うねりそのものの向き合い方はうねり・広がりが増えてきた髪の毎日のケアの考え方で扱っていますので、あわせて読んでいただくと重なりが見えてきます。

白髪が混ざると、光の返り方が変わる

白髪は色素の少ない髪です。光を反射する量も透ける度合いも周りの髪とは違うため、全体の質感の印象を変えます。白髪の割合が高くなるほど、髪全体が明るく、そして少しマットに見えることがあります。

さらに、白髪を染めているかどうか、どのくらいの明るさに染めているかでも見え方は変わります。暗く均一に染めた髪は光の帯が出やすい一方、伸びてきた部分との差も見えやすくなります。染め方を選び直すときは、色持ちや頭皮への負担だけでなく、ツヤの見え方も判断材料に加えてみてください。

毎日のケアは、この順番で見直します

新しいアイテムを探す前に、いま行っている工程の中に見直せる部分があります。効果を感じやすい順に3つ挙げます。

濡れている時間を短くする

髪は濡れているあいだ、表面が開いて摩擦に弱い状態になります。洗ったあとタオルを巻いたまま家事をする、乾かさずに寝てしまうといった時間が長いほど、表面は乱れやすくなります。

まずタオルで水分を押さえるように取り、根元から風を当てて早めに乾かし終えること。仕上げに冷風を当てて表面を落ち着かせること。特別な道具を足さなくても、この2つだけで翌朝の手ざわりは変わってきます。

摩擦の回数を減らす

意外と見落とされているのが、髪がこすれる回数です。タオルでゴシゴシ拭く、絡まったまま無理に梳かす、乾かす前に何度もブラシを通す。どれも短時間ですが、毎日となると積み重なります。

絡まりは毛先から少しずつほどく、目の粗いコームを使う、乾いた状態でのブラッシングは軽く整える程度にとどめる。寝ているあいだの摩擦が気になる方は、枕カバーの素材を見直すという方法もあります。派手な変化はありませんが、こうした細かい積み重ねが表面の状態を左右します。

熱と油分は、量より当て方を調整する

アイロンやコテは、毛流れをそろえてツヤを出すための道具でもあります。ただし同じ場所に何度も往復させたり、温度を上げたまま毎日使ったりすると、表面への負担が積み重なっていきます。温度と回数の考え方は毎日のヘアアイロン、髪への負担は?温度と使い方の見直し方で詳しく整理しています。

オイルやミルクなどの洗い流さないケアも、多くつければツヤが増すわけではありません。つけすぎると重さで束が固まり、かえって光が濁って見えることがあります。毛先を中心に少量から始めて、乾かす前と乾かした後で役割を分けると調整しやすくなります。

サロンでできることと、期待の置きどころ

セルフケアで整えられる範囲には限りがあります。そのうえで、サロンの施術に何を期待するとよいかを整理しておきます。

トリートメントは、表面をそろえるための手段

サロンのトリートメントは、髪の内部と表面の状態を整えるサポートをするものです。直後の手ざわりが大きく変わるのは、表面がそろって光の返り方が変わるためでもあります。

一方で、その状態が永続するわけではなく、洗うたびに少しずつ元の状態へ近づいていきます。定期的に受けるか、日々のケアで持ちを支えるかは、生活のペースと予算に合わせて決めていくものです。「一度で作り直す」より「乱れる速度を緩める」と捉えると、続け方を考えやすくなります。

カラーの明るさとの兼ね合いを見る

髪を明るくする施術は、色素を抜く工程を挟むため、質感の変化を感じる方がいらっしゃいます。反対に、暗いトーンにそろえた髪は光の帯が出やすく、ツヤを感じやすい傾向があります。

ただし、暗くすれば良いという単純な話でもありません。白髪の割合や肌の印象との相性もありますし、伸びてきたときの見え方も変わります。ツヤを優先したいのか、伸びたときの目立ちにくさを優先したいのか。この順位を美容師に伝えるだけで、提案される設計はかなり変わってきます。

ツヤ以外の変化が重なっているときの見方

ここまでは、髪の表面と質感の話をしてきました。ただ、ツヤの低下と一緒に、分け目の地肌が気になる、髪の量が減った気がする、抜け毛が多くなったと感じる、といった変化が重なることもあります。その場合は、表面のケアだけで捉えきれない部分が出てきます。

女性の髪の変化の背景については、日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aが女性型脱毛症について「男性ホルモンの影響に関して明確なデータはなく、女性ホルモンの状態など様々な理由により生じている場合が多いと考えられています」と説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8「女性型脱毛症は男性型脱毛症とちがうのでしょうか?」)。原因を一つに決めつけないという前提は、自分の状態を見るときにも役立ちます。ケア用品を変えても変わらないからといって、ご自身の手入れが足りないという話ではないからです。

こうした状態が続くときは、セルフケアだけで抱え込まず、皮膚科や女性の髪の悩みを扱うクリニックへ相談することを検討してみてください。どこに相談すればよいか迷う場合は、女性の薄毛は何科に相談する?皮膚科と専門クリニックで違いを整理しています。

美容師の現場から

乾かし方・摩擦・熱と油分という毎日のケアで見直す3つの順番を並べた図解

光の返り方は、今の髪に合わせて整えていけます

髪のツヤは、髪の中に閉じ込められた何かではなく、表面で返ってくる光の見え方です。年齢とともに、表面の積み重ね、髪の形や太さ、白髪の混ざり方が少しずつ変わっていけば、返り方が変わるのは自然なことです。以前と同じケアで同じ結果にならないのは、髪が変わったからであって、手入れを怠ったからではありません。

まずは濡れている時間を短くすること、こすれる回数を減らすこと、熱と油分の当て方を調整すること。この3つを順番に見直すだけでも、日々の手ざわりは変わってきます。そのうえで足りない部分をサロンの施術で補うと、期待とのずれも小さくなります。もし、ツヤ以外の変化が重なって気になる状態が続くようなら、そこは無理をせず、皮膚科や専門のクリニックの力も借りながら進めていきましょう。

参考にした情報

よくある質問

Q.トリートメントを変えれば、髪のツヤは戻りますか?
A.手ざわりや光の返り方が変わったと感じられることはあります。ただし、すでに伸びている髪そのものの状態が大きく変わるわけではないため、表面を整えるサポートとして捉えるほうが期待とのずれが出にくくなります。日々の乾かし方や摩擦を見直したうえで組み合わせると、違いを感じやすくなる印象があります。
Q.ヘアオイルは、たくさんつけたほうがツヤが出ますか?
A.量を増やすほどツヤが出るとは限りません。つけすぎると髪の表面に厚みのある膜ができて重く見え、束がベタついて光が濁って見えることがあります。毛先を中心に少量から始め、足りないと感じたときに少しずつ足していく順番のほうが調整しやすいです。
Q.白髪が多くなってくると、ツヤは感じにくくなりますか?
A.白髪は色素の少ない髪のため、周りの髪とは光の返り方が違って見えます。同じ髪の状態でも、白髪が混ざる割合によって全体の質感の印象は変わります。染めるかどうか、どのくらいの明るさにするかによっても見え方が変わるため、ツヤの感じ方はカラーの選び方とも関係してきます。
Q.自然乾燥のほうが、ドライヤーより髪にやさしいのではないでしょうか?
A.濡れた状態の髪は表面が開いて摩擦に弱いため、そのまま長い時間を過ごすことが負担になる場合もあります。熱を当てすぎないよう距離と時間に気をつけながら、根元から早めに乾かし終えるほうが、結果的に表面を乱しにくいと感じています。
Q.ツヤだけでなく、ボリュームの変化も同時に気になっています。
A.質感の変化とボリュームの変化が重なっている場合、髪の表面だけの問題ではない可能性もあります。セルフケアを続けても気になる状態が続くときは、皮膚科や女性の髪の悩みを扱うクリニックへ相談することも選択肢のひとつです。

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