分け目やつむじの地肌が気になる|見え方の変化の確かめ方
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洗面所の鏡で髪をかき上げたときや、明るい場所で撮った写真をあとから見返したとき。分け目やつむじの地肌が、以前より目立って見えてどきりとすることがあります。誰かに指摘されたわけではないけれど、一度気づいてしまうと、その日は何度も鏡を見に行ってしまう。そんな経験のある方は少なくないと思います。
けれど地肌の見え方は、思っている以上にいろいろな条件で変わります。この記事では、まず見え方が動く理由を整理したうえで、条件をそろえて自分で確かめる手順をご紹介します。あわせて、専門機関への相談を考えたい目安にも触れます。今すぐ何かを決めるためではなく、気になっている状態を確かめられる形にしていくための記事としてお読みください。
一度の見た目では決められません
先にお伝えしたい要点は二つあります。ひとつは、地肌の見え方は髪の量だけで決まるものではないということ。もうひとつは、確かめたいなら条件をそろえて何度か見る必要があるということです。
分け目の地肌がくっきり見えた日と、そうでもない日があります。同じ髪であっても、照明の位置、髪の乾き具合、その日の分け方によって、見える面積は変わってきます。ですから、たまたま目に入った一度の見え方をもとに、髪が減ったと判断してしまうのは早すぎます。逆に、たまたまよく見えた日をもとに安心してしまうのももったいない話です。
では何を手がかりにすればよいかというと、条件をそろえた比較です。同じ場所、同じ時間帯、同じ髪の状態で見比べると、その日ごとのばらつきが減り、残った差だけが見えてきます。数週間から数か月という単位で並べられるようにしておくと、気にしすぎることも、見落とすこともなくなります。

地肌が見えるのは、どういうときか
見え方が動く理由を知っておくと、鏡の前で慌てにくくなります。ここでは大きく三つに分けて整理します。
髪は一本ずつ、別々の周期で入れ替わっています
髪は全体が同じタイミングで伸びたり抜けたりするわけではなく、一本ずつが別々の周期で動いています。伸びている髪、休んでいる髪、これから入れ替わる髪が常に混ざっている状態です。ですから、生え際や分け目のあたりに短い髪が立ち上がっていても、それ自体は珍しいことではありません。
この入れ替わりがあるおかげで、髪は少しずつ新しくなっていきます。一方で、休んでいる髪の割合はその時々で動きますから、同じ頭でも時期によって全体の密度の印象は変わります。仕組みとしてそういうものだと分かっていると、日ごとの見え方の違いに引っぱられにくくなります。
光の角度で、見える面積は大きく変わります
同じ頭でも、真上から光が当たるときと、斜めから当たるときでは、地肌の見え方がまるで違います。真上からの照明は分け目の溝に沿って影を作り、線を強調します。ショップの試着室やオフィスの天井照明で急に気になるのは、光の当たり方が普段と違うためです。
さらに、髪が乾いているか湿っているかでも変わります。濡れた髪は束になって地肌を覆いにくくなるので、洗ったあとの鏡でいちばん薄く見えるという方は多いはずです。確かめるなら、乾いた状態で、いつもと同じ明るさの場所で、と決めておくのが確実です。
分け目を固定していると、その線は育ちます
同じ位置で分け続けていると、根元が同じ方向に倒れたまま癖づいていきます。倒れた髪は地肌の上に覆いかぶさりにくいため、分け目の線がくっきりと通って見えるようになります。長く同じ髪型を続けている方ほど、この影響が積み重なっています。
試しに分け目を一センチほどずらして、根元を逆方向から乾かしてみてください。それだけで見え方が変わることは珍しくありません。具体的なやり方はボリュームが気になる日の髪型と分け目チェンジのコツにまとめています。見え方が変わったからといって髪の量が変わったわけではありませんが、確かめるうえでの手がかりにはなります。
学会が説明している、女性の場合の薄くなり方
自分で観察するときの物差しとして、専門の学会が公開している説明を知っておくと役に立ちます。ここでは二つの点を取り上げます。
原因は一つに絞られていません
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、女性型脱毛症について「男性ホルモンの影響に関して明確なデータはなく、女性ホルモンの状態など様々な理由により生じている場合が多いと考えられています」と説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8「女性型脱毛症は男性型脱毛症とちがうのでしょうか?」)。
専門家が原因を一つに決めない書き方をしているということは、鏡を見ている段階の私たちが自分で原因を特定するのは、そもそも難しいということでもあります。年齢のせいだ、ホルモンのせいだ、と結論を先に置いてしまうと、確かめる作業のほうが止まってしまいます。観察の段階では、原因の話はいったん脇に置いておくくらいでちょうどよいと思います。
女性の場合、前髪は残りやすいとされています
同じQ&Aは、女性の場合は男性と異なり、前髪が残ったまま、その少し奥から頭頂にかけて薄くなっていくことが多いと説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8)。分け目やつむじの周辺が気になりやすいという実感は、この説明とも重なります。
ここで大切なのは、この説明を自己診断に使わないことです。前髪が残っていて頭頂部が気になるからといって、それだけで自分の状態を決められるわけではありません。頭皮の状態を直接見られる立場の人が確認して初めて分かることがあります。あくまで、見ている場所が的外れではない、という程度の確認として受け取ってください。
条件をそろえて確かめる手順
ここからは実際の進め方です。難しい道具は必要ありません。
記録する条件を先に決めます
いちばん大事なのは、比べられる形にすることです。場所、時間帯、髪の状態の三つを決めてしまいましょう。たとえば「洗面所の鏡の前で、朝、髪が乾いた状態で」と決めておけば、次に撮るときも同じ条件を再現できます。
スマートフォンで、分け目を真上から一枚、つむじのあたりを後ろから一枚。手が届きにくければ、家族に頼んでも構いません。頻度は月に一度で十分です。毎日撮っていると小さなばらつきが気になってしまい、かえって不安が増えることがあります。
抜け毛の量とあわせて見ていきたい方は、抜け毛が増えた気がするとき|変化の見方と記録のしかたに記録の残し方をまとめていますので、同じノートに書き足していくとまとめて振り返れます。
分け目を変えて、見え方の幅を知っておきます
一枚撮ったら、分け目を反対側にずらしてもう一枚撮ってみてください。ずらしただけで印象が変わるなら、その差は髪の流れによるもので、日によって見え方が動く幅だと分かります。この幅を知っておくと、次に気になったときに「これはいつもの範囲かどうか」を自分で判断できるようになります。
触った感じも一緒に残しておきます
見た目だけでなく、手で触れたときの感触もメモしておくと情報が増えます。髪をひとつかみ握ったときの太さの感じ、頭皮に触れたときの張りや乾き、かゆみの有無。言葉で残しにくいものですが、「前より束が細い気がする」といった短い一文でも、あとから読み返すと役に立ちます。
頭皮の状態に気になるところがあるときは、次のような点に心当たりがないか確かめてみてください。
こうした点に当てはまるときは、記録を続けるより先に、皮膚科や女性の薄毛を扱うクリニックへの相談を検討してみてください。どこに行けばよいか迷う場合は、それぞれの特徴を女性の薄毛は何科に相談する?皮膚科と専門クリニックで整理しています。撮っておいた写真は、そのまま相談のときの材料にもなります。
気になっているあいだ、髪への負担を増やさないために
確かめる作業と並行して、気をつけておきたいことがあります。気になっている時期ほど、無意識のうちに髪や頭皮を触る回数が増えているためです。
何度も触って確かめない
一日に何度も分け目をかき分けて確認したくなる気持ちは、とてもよく分かります。ただ、指で強くかき分ける動作は頭皮をこすることになりますし、そのたびに髪の流れが乱れるので、見え方そのものも安定しなくなります。
確認するのは記録を残すときだけ、と決めてしまうほうが、結果として比べやすい写真が残ります。手が伸びそうになったら、前回撮った写真を見返す。そう置き換えておくと、確かめたい気持ちを行き場のないまま抱えずにすみます。
隠そうとして引っぱらない
地肌が気になると、髪を強く引き上げてまとめたり、ピンでしっかり留めて覆ったりしたくなります。見え方はその場で変わりますが、同じ場所を毎日強く引っぱり続ける状態は、頭皮にとって負担になります。
まとめるときは指が一本入るくらいのゆるさを残し、結ぶ位置や分ける位置を日によって少しずつ変えてみてください。同じ場所に力がかかり続けない、というだけで十分です。隠すこと自体を我慢する必要はありませんので、力の向きを散らすという感覚で考えていただければと思います。
美容師の現場から

気になったままにせず、確かめられる形にする
分け目やつむじの地肌が気になったとき、その場でできることは、実はそれほど多くありません。けれど、条件をそろえて記録を残しておくことは今日から始められます。同じ場所、同じ時間帯、乾いた髪。この三つを決めて月に一度残しておけば、数か月後には自分の変化を自分の目で確かめられるようになります。
原因を先に決めてしまわないことも、同じくらい大切です。専門の学会でさえ原因を一つに絞らない領域ですから、鏡の前で答えを出そうとしなくて構いません。確かめるための材料を集めておいて、必要になったときにそれを持って相談に行く。その順番のほうが、遠回りに見えて着実です。
頭皮に症状を伴うときや、短い期間で見え方が変わったと感じるとき、気になる状態が続いているときは、皮膚科や女性の薄毛を扱うクリニックへの相談を検討してみてください。何かを決めに行くのではなく、確かめに行く。そのくらいの気持ちで足を運んでいただければ十分です。
参考にした情報
よくある質問
- Q.分け目の地肌が見えるのは、髪が減ったということですか?
- A.見え方が変わる理由は一つではありません。髪の量のほかに、照明の角度、分け目の位置、髪の乾き方や質感によっても地肌の見え方は変わります。一度の見た目で判断せず、同じ場所・同じ時間帯・同じ髪の状態という条件をそろえて何度か見比べてみてください。条件をそろえたうえで数か月かけて変化が見えるようなら、そのときに専門機関へ相談する材料になります。
- Q.分け目をずっと同じ位置にしていると、そこだけ目立ってきますか?
- A.同じ位置で分け続けていると、その線に沿って髪の流れが固定され、根元が同じ方向に倒れたままになります。倒れた髪は地肌を覆いにくいため、線がくっきり見えやすくなります。分け目を少しずらすと見え方が変わることが多いのは、このためです。ただし見え方が変わることと、髪の量が変わることは別の話です。
- Q.つむじの地肌が見えるのは普通のことですか?
- A.つむじは髪が渦を描くように生えている場所なので、もともと放射状に流れて地肌が見えやすい部分です。子どもの頭を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。ですから見えること自体が変化を意味するわけではなく、以前の写真と比べてどうか、という見方のほうが手がかりになります。
- Q.写真はどのように撮っておくとよいですか?
- A.同じ照明の下で、同じ角度から、髪が乾いた状態で撮るのがこつです。洗面所の鏡の前など場所を決めておくと条件をそろえやすくなります。頻度は毎日でなくて構いません。月に一度ほど、日付が分かる形で残しておくと、後から並べたときに変化を追いやすくなります。
- Q.気になった時点ですぐ受診したほうがよいのでしょうか?
- A.頭皮に赤みやかゆみ、痛みを伴う場合や、短期間で見え方が変わった場合は、早めに皮膚科などへ相談することを検討してください。そうした症状がなく、気になり始めたばかりという段階であれば、記録を残しながら様子を見て、続くようなら相談するという順番でも構いません。判断に迷うときに相談することも、受診の理由として十分です。
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