大人女性の髪のお悩みガイド

頭皮のかゆみ・フケが気になるときに見直したいケアの順番

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洗面台で髪を指の腹でやさしく洗いながら頭皮をいたわる大人女性を描いた水彩イラスト風のアイキャッチ

夕方になると頭がむずむずする。ブラシに白い粉のようなものがつく。濃い色の服を着た日に、肩に落ちたフケが気になってしまう。こうしたお悩みは、なかなか人に相談しにくいまま長引きやすいものです。「清潔にしていないと思われそう」と感じて、美容室でも言い出せなかった、という声をうかがうことがあります。

けれど、かゆみやフケは「洗えていないから起きる」とは限りません。気になるあまり洗いすぎていたことが背景にある場合もありますし、季節や体調の変化が重なっていることもあります。この記事では、大人の頭皮に起きやすい変化を整理しながら、何から順番に見直すとよいのかをお伝えします。特別な道具をそろえる必要はなく、今夜のシャンプーから変えられる内容です。

シャンプーを変える前に、洗い方と乾かし方を見直す

先に結論をお伝えすると、かゆみやフケが気になるとき、最初に手をつけるとよいのはシャンプー選びではありません。「洗う前」「洗う」「乾かす」という一連の手順のほうです。

頭皮のトラブルが気になると、多くの方はまず製品を変えようとします。売り場でフケ・かゆみ向けの表示を探し、より洗浄力の強いものを選ぶ。この流れはとても自然なのですが、洗浄力を上げても手順が変わらなければ、頭皮にかかる負担そのものは減りません。むしろ、必要なうるおいまで落としてしまい、乾燥が気になるという別の悩みにつながることもあります。

順番としては、まず手順を整えて二〜三週間ほど様子を見る。それでも気になる状態が続くようなら製品を検討する。この順で進めるほうが、何が関わっていたのかを自分で確かめやすくなります。手順と製品を同時に変えてしまうと、変化があったときにどちらの影響なのかが分からなくなってしまうためです。

かゆみやフケが気になるときに洗う前・洗う・乾かすの順で見直す手順を示した図解

大人の頭皮がゆらぎやすくなる背景

年齢を重ねるにつれて、頭皮の感じ方が変わってきたという声はよく聞かれます。以前は平気だったシャンプーがしみるようになった、季節の変わり目になるとかゆみが出る、といったご相談です。

背景として考えられる要素は一つではありません。皮脂の量やうるおいの保ちやすさは年代によって変わりますし、白髪染めやパーマを定期的に繰り返していれば、そのたびに薬剤が頭皮にふれます。夏であれば汗と皮脂、紫外線。冬であれば空気の乾燥と暖房。生活のリズムや体調の波も重なります。こうした要素が少しずつ積み重なった結果として、あるとき自覚できるかゆみになる、という順序をたどることが多いように感じています。

ここで気をつけたいのが、かゆみやフケと同じ時期に抜け毛が気になり始めたとき、その二つをすぐに結びつけて考えてしまうことです。心配になるお気持ちはよく分かりますが、髪の変化の理由は一つに絞れるものではありません。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、女性型脱毛症について「男性ホルモンの影響に関して明確なデータはなく、女性ホルモンの状態など様々な理由により生じている場合が多いと考えられています」と説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8)。頭皮の状態は髪と関わりうる要素の一つではありますが、それだけで説明できるものではない、という前提で見ていくほうが冷静に判断できます。

乾燥が気になるのか、皮脂が気になるのか|手がかりの見方

自分の頭皮がどちらに傾いているのかを見当づけておくと、ケアの方向を決めやすくなります。以下は医学的な分類ではなく、サロンで状態をうかがうときに手がかりにしている見方としてお読みください。

乾燥が気になるときの感じ方 フケが細かく、粉のように白くぱらぱらと落ちる。シャンプー後しばらくして頭皮がつっぱるように感じる。空気が乾く季節や、冷房・暖房の効いた部屋にいる時間が長い日に強くなる。こうした傾向がある場合、洗浄力の強いシャンプーで一日に何度も洗うと、かえって気になりやすくなることがあります。

皮脂が気になるときの感じ方 フケが大きめでしっとりしている、あるいは髪の根元にくっつくように感じる。夕方になると根元がべたつく。整髪料を毎日使っている、帽子をかぶる時間が長い。この場合は、洗うこと自体よりも「洗い残しを作らないこと」と「乾かしきること」のほうが効いてくることがあります。

実際には、両方の傾向が混ざっている方も多くいらっしゃいます。生え際は乾燥しやすく、頭頂部はべたつく、といったように部位で違うこともあるため、頭皮全体を一つのタイプに決めつけないほうが現実的です。どちらとも判断がつかないときは、まずは共通して負担の少ない洗い方に整えて、様子を見るところから始めてみてください。

今日から変えられること|洗う前・洗う・乾かす

具体的な手順を見ていきましょう。難しいことはなく、いつもの流れに少し意識を足すだけです。

洗う前 シャンプーをつける前に、ぬるま湯だけで髪と頭皮を流します。時間の目安は一分ほど。ここで汚れの多くは落ちるため、シャンプーの量を増やさずに済みます。湯温は熱すぎないほうがよく、少しぬるいと感じるくらいが基本です。ブラッシングで髪のもつれをほどいておくと、洗うときの摩擦も減らせます。

洗う シャンプーは手のひらで軽く泡立ててからつけます。原液を頭皮に直接のせると、その部分だけ濃くなってしまうためです。洗うときは爪を立てず、指の腹で頭皮を動かすように。こすり合わせるのではなく、頭皮そのものを軽く動かす感覚です。かゆいところをかき壊してしまうと、そこから別のトラブルにつながることもあるので、力の入れすぎには注意してください。すすぎは洗う時間の倍を目安に、生え際・耳の後ろ・襟足を意識して流します。

乾かす 濡れたまま置く時間を短くすることが、この段階で一番大切な点です。タオルで水分を吸わせるときも、ごしごしこすらず、押さえるようにします。ドライヤーは根元から。毛先だけ乾いて根元が湿ったままという状態が続くと、頭皮の環境が整いにくくなります。夜のうちに乾かしきって寝る習慣にすると、枕との摩擦も減らせます。

これらを完璧に守る必要はありません。まずは予洗いと、根元から乾かすことの二つだけでも意識してみてください。毎日のことなので、続けられる範囲に落とし込むほうが結果的に長く続きます。

セルフケアで様子を見る範囲と、皮膚科に相談したい目安

セルフケアで様子を見てよいのは、かゆみが軽く、日によって波がある段階です。手順を整えて二〜三週間ほど過ごし、心当たりのある要因を一つずつ減らしてみる。整髪料を休んでみる、帽子をかぶる時間を減らす、といった具合に一つずつ変えると、何が関わっていたのかを確かめやすくなります。

一方で、次のような状態が続く場合は、セルフケアで抱え込まずに皮膚科へ相談することをおすすめします。赤みや痛みを伴う、じくじくした感じがある、眠れないほどかゆい、フケの量が急に増えた、髪をとかすたびに頭皮がひりひりする、といった状態です。頭皮は自分では見えにくい場所なので、目で確かめてもらうこと自体に意味があります。カラーやパーマのあとに毎回同じ症状が出る場合も、次の施術を続ける前に一度相談しておくほうが安心です。

白髪染めのたびにしみる感じがある方は、染める前後の工夫でできることもあります。詳しくは白髪染めで頭皮がしみるのはなぜ?負担を抑える準備と染め方でも整理していますので、あわせてご覧ください。

セルフケアで様子を見る範囲と皮膚科への相談を検討する目安を分けて示した図解

美容師の現場から

シャンプー中に「ここ、かゆくないですか」とお声がけすると、「実はずっと気になっていて」とお話しくださる方がいらっしゃいます。共通しているのは、ご自身では清潔さの問題だと思い込んでいて、洗う回数を増やしたり、洗浄力の強いものに変えたりして、しばらく一人で対処されていたという点です。

もう一つ多いのが、季節の入れ替わりにご相談が増えることです。夏の終わりや、暖房を使い始めるころにお話が出やすい印象があります。もちろん、それが原因だと申し上げることはできません。ただ、生活の中で変わったことを一緒に振り返ってみると、心当たりが見つかることは少なくありません。これは診断ではなく、現場で見てきた傾向としてのお話です。

頭皮は、変えられるところから整えていく

かゆみやフケが気になると、つい「何を使えばよいか」を先に探してしまいます。けれど毎日繰り返しているのは製品ではなく手順のほうなので、そこを整えることのほうが、頭皮にかかる負担を減らす近道になることがあります。予洗いを丁寧に、指の腹でやさしく、夜のうちに根元から乾かす。まずはこの三つから始めてみてください。

そのうえで、二〜三週間ほど続けても変化を感じない場合や、赤み・痛み・強いかゆみを伴う場合は、自己判断で洗い方を変え続けるより、皮膚科へ相談するほうが確実です。抜け毛の量が気になる状態が重なっているときも同じで、皮膚科や女性の薄毛を扱う専門クリニックへ相談する選択肢を持っておくと、一人で抱え込まずに済みます。自分で整えられるところは整えて、判断が必要なところは専門家に委ねる。その線引きを持っておくことが、頭皮と長く付き合っていくうえでの現実的な向き合い方になります。

参考にした情報

よくある質問

Q.フケが出るのは、洗い方が足りていないからでしょうか?
A.洗い残しが関わることもありますが、逆に洗いすぎているケースもあります。サロンでお話をうかがうと、フケが気になるからと洗浄力の強いシャンプーで一日に何度も洗っている方は少なくありません。まずは回数や洗浄力を増やす前に、予洗いと乾かし方を見直すところから始めてみてください。それでも気になる状態が続く場合は、皮膚科への相談を検討しましょう。
Q.かゆいときに、シャンプーの回数を増やしてもよいですか?
A.かゆいと洗いたくなりますが、回数を増やすほど頭皮に必要なうるおいまで落ちてしまうこともあります。基本は一日一回、夜のうちに洗って乾かすリズムを保つのが目安です。汗をかいた日は、二度洗いにするのではなく、シャンプー前の予洗いを丁寧にする方法もあります。
Q.市販のフケ・かゆみ向けシャンプーを使ってもよいのでしょうか?
A.選択肢のひとつです。ただし製品によって想定している頭皮の状態は異なるため、合わない場合もあります。使い始めて数週間たっても変化を感じない、あるいは使用中に赤みやしみる感じが出るようであれば、使い続けずに中止して、皮膚科で相談することをおすすめします。
Q.白髪染めのあとに頭皮がかゆくなるときは、どう考えればよいですか?
A.染めるたびに同じ症状が出る場合は、施術のタイミングと感じ方の記録を残しておくと、美容師や医師に状況を伝えやすくなります。次に染めるまでの間隔や塗り方の工夫でできることもありますので、担当の美容師に相談してみてください。赤みやただれを伴うときは、自己判断で染め続けずに皮膚科を受診しましょう。
Q.皮膚科に相談する目安はありますか?
A.セルフケアを二〜三週間ほど続けても変化がない、赤みや痛み、じくじくした感じを伴う、眠れないほどかゆい、フケの量が急に増えた、といった状態が続く場合は、早めに皮膚科へ相談してください。頭皮の状態を目で確かめてもらうことは、自分では判断しにくい部分を整理するうえでも役立ちます。

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