白髪染めと抜け毛は関係ある?頭皮の負担と続け方の見直し
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白髪染めを続けていると、ふとした瞬間に不安がよぎることがあります。洗い流したあとの排水口を見たとき、あるいは染めた翌日にブラシに絡んだ髪の量を見たとき。もしかしてこれは、染めているせいなのだろうか、と。
そう思いながらも、白髪をそのままにしておくわけにもいきません。やめるべきなのか、続けてよいのか、はっきりしないまま次の予約の日が来てしまう。そんな状態で止まっている方は少なくないと思います。この記事では、染めることと抜け毛を一本の線で結んでしまう前に確かめておきたいことと、続け方のほうで見直せる部分を整理します。やめるか続けるかの二択にしないための材料として読んでいただければと思います。
見るのは染めているかどうかより、頭皮の状態と続け方です
先にお伝えしたい要点は二つあります。ひとつは、抜け毛の原因を染めることだけに決めてしまうのは早いということ。もうひとつは、頭皮に赤みやかゆみなどの症状を伴っているかどうかで、考える順番が変わるということです。
髪の変化が気になり始めると、思い当たることの中から原因を一つ選びたくなります。白髪染めは定期的に続けているものですから、候補として真っ先に浮かびやすいのだと思います。けれど後ほど触れるように、女性の脱毛について専門の学会は原因を一つに絞らない書き方をしています。染めることを含めて、思い当たることを並べて見ていくほうが、実際の状態には近づけます。
一方で、頭皮に症状が出ている場合は話が変わります。しみる感じが長く残る、赤みやかゆみがある、といった状態は、抜け毛とは別に確かめたほうがよいことです。染め方を工夫して様子を見る段階なのか、一度見てもらったほうがよい段階なのか。その線引きを先に置いておくと、この先の判断がしやすくなります。

白髪染めのとき、頭皮では何が起きているのか
染めることそのものを悪者にする必要はありませんが、頭皮に何も起きていないわけでもありません。まずは実際に起きていることを、髪と頭皮に分けて見ておきます。
薬剤が触れるのは、髪だけではありません
白髪が気になるのは多くの場合まず根元ですから、染めるときには薬剤が地肌のすぐそばに置かれることになります。髪の途中だけを染めて根元を避ける、というわけにはいきません。つまり白髪染めは、構造上どうしても頭皮に近いところで行う作業だということです。
そのときの感じ方には、かなり個人差があります。同じ薬剤でも、まったく気にならない方もいれば、塗った直後からしみるという方もいます。同じ人でも、その日の頭皮の状態によって感じ方が変わることがあります。この点については白髪染めで頭皮がしみるのはなぜ?負担を抑える準備と染め方で、前日から当日にかけてできる準備とあわせて詳しく整理していますので、しみやすさに心当たりのある方はそちらもご覧ください。
しみる感じと、赤みやかゆみを伴う状態は分けて考えます
塗っているあいだのピリピリとした感じと、時間が経ってから出てくる赤み・かゆみ・腫れといった症状は、同じものとして扱わないほうがよい、というのが基本的な考え方です。前者は染めている最中の刺激感として収まることがありますが、後者は次に染めるかどうかの判断そのものに関わってきます。
見分けるうえで手がかりになるのが、出てくるタイミングと続く長さです。染めているあいだだけの感覚だったのか、翌日以降も残っているのか。ここを覚えておくだけでも、美容師や医師に伝えられる情報の質が変わります。
染めた日に抜けた毛が目立って見えることがあります
サロンでよく伺うのが、「染めた日は普段より抜ける量が多い気がする」というお話です。ただ、染める日は流し方も洗い方も普段と違います。丁寧にすすぎ、しっかり洗い、そのあとブラシを通す。普段なら何回かに分かれていたものが、その日一回に集まって見えるという面はあると思います。
ですから、染めた日の量だけを取り出して比べるのはあまり向いていません。日によって差があること自体は珍しくありませんので、見るのであれば数か月の流れのほうです。
抜け毛の原因を、染めることだけに求めない
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。思い当たることが一つあると、そこで説明を終えてしまいがちなのですが、少し立ち止まってみてください。
専門の学会は、原因を一つに絞っていません
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、女性型脱毛症について「男性ホルモンの影響に関して明確なデータはなく、女性ホルモンの状態など様々な理由により生じている場合が多いと考えられています」と説明しています(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8「女性型脱毛症は男性型脱毛症とちがうのでしょうか?」)。
専門家の集まりである学会が、原因を一つに決めない書き方をしているという事実は、読むときの物差しになります。ホルモンでさえそう書かれているのですから、白髪染めという一つの習慣を取り出して、そこに原因を集めてしまうのは慎重になったほうがよいということです。逆に、断定的に原因を一つに決めて対策を勧めてくるページを見かけたときは、少し距離を置いて読んでよいと思います。
同じ時期に重なっていたことを、並べてみてください
原因を一つに決めないというのは、諦めるという意味ではありません。並べて見る、ということです。白髪染めのほかに、この数か月のあいだに変わったことはなかったでしょうか。
- 季節の変わり目にあたっていた
- 睡眠や食事のリズムが変わった時期だった
- 体調の変化や、新しく飲み始めた薬があった
- 髪型やまとめ方を変えた
- 仕事や生活の環境が大きく動いた
たとえば夏の終わりから秋にかけては、抜ける量が気になるというお話が増える時期でもあります。染め続けてきた年数は変わっていないのに、ある時期から気になり始めたのだとしたら、そこには染めること以外の要素も混ざっているはずです。
比べられる形にして残しておく
並べてみても、記憶だけでは前と比べられないことに気づくと思います。以前どうだったかがはっきりしないと、多くなったのかどうかも判断がつきません。
同じ場所を同じ明るさで撮っておく、といった簡単な方法で構いませんので、気になった今日を起点として残しておいてください。記録のとり方は抜け毛が増えた気がするとき|変化の見方と記録のしかたにまとめてあります。数か月後に見返せる材料があると、相談するときにも役立ちます。
続け方のほうで、見直せるところ
やめるか続けるかの二択で考えると行き詰まりますが、続け方には調整できる幅があります。ここでは日常の中で見直しやすいところを三つ挙げます。
全体を染める回と、根元だけの回を分ける
毎回すべてを染め直す必要がないことは、案外知られていません。伸びてきた根元だけを染める回を挟むと、薬剤が触れる範囲も、髪全体にかかる負担も変わってきます。
美容室で染めている場合は、前回いつ染めたかを伝えれば、その回に必要な範囲を判断してもらえます。ご自宅で染めている場合も、生え際とつむじ周りを先に、残りは時間差で、という塗り方にするだけで違ってきます。
間隔は、頭皮の状態に合わせて決める
何週間おきが正解、という決まった数字はありません。根元の伸び方も、頭皮の感じやすさも人によって違うからです。目安として持っておきたいのは、前回しみた感じが残っているうちに次を重ねない、という一点です。
白髪の量がまだ少なく、根元が伸びるたびに染める間隔の短さのほうが負担になっているという方であれば、単色で塗りつぶす以外の方法に切り替えて、伸びを目立ちにくくするという考え方もあります。頻度そのものを下げられれば、頭皮に薬剤が触れる回数も自然と減っていきます。
染めた日の洗い方と乾かし方を、少し丁寧に
染めた日にやっておきたいのは、すすぎ残しをつくらないことと、しっかり乾かして終えることです。地肌に薬剤が残ったままにならないよう、いつもより長めにすすぐ。そのあと根元から乾かして、湿ったまま長時間を過ごさないようにする。
このあたりは特別なことではなく、普段のシャンプーの延長にあります。染めた日だけ何か特別なケアを足すというより、いつもやっていることを少し丁寧にする、という程度で構いません。
気になる状態が続くときは、確かめに行く
染め方を見直しても変わらない、あるいは頭皮に症状を伴っているという場合は、様子を見る段階から一歩進めてよいと思います。
頭皮の症状は皮膚科で見てもらえます。髪の量そのものが気になっている場合も、まず皮膚科で相談するという入口があります。どこに行くか迷ったときは女性の薄毛は何科に相談する?皮膚科と専門クリニックで、それぞれの特徴を整理していますのでご覧ください。
受診したからといって、その場で何かを始めることが決まるわけではありません。今の頭皮の状態を確かめて、次にどう染めるかを考えるための材料をもらう。そのくらいの気持ちで足を運んでいただければ十分です。
美容師の現場から

やめるか続けるかの前に、確かめられることがあります
白髪染めと抜け毛の関係が気になったときは、まず頭皮に症状があるかどうかを見る。次に、同じ時期に重なっていたことを並べてみる。そのうえで、染める範囲・間隔・染めた日の扱いという続け方のほうを調整してみる。この順番で考えると、やめるか続けるかの二択に追い込まれずにすみます。
学会が原因を一つに決めない書き方をしているということは、専門家でも慎重に扱う領域だということです。ですから、ご自身で答えを出してから動く必要はありません。気になる状態が続くとき、頭皮に症状を伴うときは、皮膚科や女性の髪の悩みを扱うクリニックへの相談を検討してみてください。白髪との付き合いはこの先も続いていくものですから、無理のない続け方を、そのときどきで選び直していけば大丈夫です。
参考にした情報
よくある質問
- Q.白髪染めをやめれば抜け毛は落ち着きますか?
- A.染めることをやめれば解決する、と言い切れる話ではありません。日本皮膚科学会は女性の脱毛について原因を一つに絞らない書き方をしていますので、染めることだけを取り出して結論を出すのは難しいのが実際です。まずは頭皮に赤みやかゆみなどの症状があるかどうかを確かめ、同じ時期に重なっていたほかの変化も並べて考えてみてください。それでも気になる状態が続く場合は、皮膚科や専門クリニックへの相談を検討してみてください。
- Q.染めた日はいつもより抜ける量が多い気がします
- A.サロンでも同じお話をよく伺います。染める日はいつもより丁寧に洗いますし、ブラッシングやすすぎの回数も普段と変わりますので、その日にまとめて手に残ったように感じやすい面があります。ただ、日によって差があること自体は珍しくありませんので、一日の量ではなく数か月の流れで見ていくほうが判断しやすくなります。
- Q.白髪染めの間隔はどのくらい空けるとよいですか?
- A.決まった正解はありません。根元の伸び方も、頭皮の感じやすさも人によって違うためです。頭皮にしみる感じが残っているうちに次を重ねない、全体を染める回と根元だけの回を分ける、というあたりが現実的な目安になります。美容室で染めている場合は、前回しみたことをそのまま伝えていただくと、間隔や薬剤の相談がしやすくなります。
- Q.頭皮に赤みが出たときは、どうすればよいですか?
- A.赤み・かゆみ・痛みなどの症状を伴っているときは、セルフケアで様子を見るより、皮膚科で見てもらうことを検討してください。染めた直後だけでなく、時間が経ってから出てくることもあります。次に染める予定がある場合は、そのまま重ねずに一度相談してからにしてください。
- Q.白髪を抜くのと染めるのでは、どちらが頭皮に負担がありませんか?
- A.どちらが負担がないかを比べるより、抜くという方法を選ばないでいただきたい、というのが現場からのお願いです。一本抜いても白髪が減るわけではありませんし、同じ場所を繰り返し引っ張ることになります。気になる部分が少ないうちは、根元だけ染める、部分的にぼかすといった方法のほうが続けやすいことが多いです。
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